有病者歯科(ゆうびょうしゃしか)

有病者歯科って、なんですか?
持病のある人も歯医者さんにかかれるよ、ということです。
「持病があるから歯科治療ができない」ということは、ほとんどありません。
福岡大学医学部歯科口腔外科にいた時に周術期(しゅうじゅつき)の口腔機能管理もやっていました。


周術期の口腔機能管理?
手術する前に口の中をキレイにしておくことです。
「心臓病があったら感染性心内膜炎になるので、悪い歯は抜歯しておきましょう」とか「歯が揺れていて気管挿管(きかんそうかん:気道を確保するため、口or鼻から気管内にチューブを挿入する医療行為)しているときに抜けたら大変なので。必要ならマウスピース作ります。」となります。


持病って、何をもって持病なんですか?
高血圧症、糖尿病、心疾患や脳梗塞などです。
治療中は全身状態をモニターなどでチェック、緊急時には提携病院(大和市民病院)との連携を図ります。
何らかの病気があり、歯科治療を受けることに不安がある方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。


有病者(ゆうびょうしゃ)歯科とは
有病者歯科とは、高血圧症、糖尿病、心疾患や脳梗塞などの全身疾患(ぜんしんしっかん:持病)のある方を対象に行う歯科治療です。
全身疾患を抱えている有病者の方は、そのために十分な歯科治療を受けられずにお口の健康が損なわれているケースが少なくありません。
高齢化が急速に進む日本において、その重要度が増しています。
当院では、身体に病気のある方の治療を始める前に、疾患や身体の状態を把握いたします。
緊急時には提携病院との連携を図ります。
「持病があるから歯の治療ができない」ということはほとんどありません。
何らかの病気があり、歯科治療を受けることに不安がある方も、ぜひお気軽にご相談ください。

下記のような不安のある方で歯にお悩みがある方はご相談ください
- 循環器、呼吸器などに重い病気がある方
- アレルギーや自己免疫疾患などがある方
- 心身的な治療を受けられている方
- 感染症がある方
- 何らかの疾患があるご高齢の方
心身に負担をかけず、より安全に
健康な方でも「歯の治療は痛くて恐い」というイメージをもっています。
この「痛くて怖い」は、病気をお持ちの方やご高齢の方などでは、なおさら強くなります。
当院では、治療内容や使用する器材・薬剤などを工夫し、心身ともになるべくご負担をかけずより安全に歯科治療を行います。

生涯にわたって豊かな人生を送るために
一昔前、内科の疾患がある患者さんへの麻酔をする歯科治療は「危険を伴う」という理由から、必要最小限にとどめる傾向がありました。
しかし近年は積極的に治療する方向に変化しています。
歯周病などの「歯科疾患」と糖尿病、嚥下性肺炎などの「全身疾患」の深い関連性が解明されてきたからです。
さらに、有病者のQOL(生活の質)向上のニーズが高まってきたことも大きな要因です。
お口は、食事のために使う器官ではなく会話や意思表示などにも不可欠です。
笑うことや歌うこと、愛情を表現するといった人とのコミュニケーションにも深く関わっています。
生涯にわたって豊かな人生を送るためにお口の機能を維持することは、高齢化社会における歯科医療の大きな役割といえます。
有病者歯科の対象となる主な疾患
循環器疾患
- 高血圧症
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心臓弁膜症
- 不整脈
- 感染性心内膜炎
- 先天性心疾患
- 心不全
- 大動脈瘤
- 心臓ペースメーカー
- 植え込み型除細動器(ICD)
代謝・内分泌系疾患
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症・低下症
- クッシング・アジソン病
呼吸器疾患
- 喘息
- 慢性閉塞性肺疾患
- 誤嚥性肺炎
腎・泌尿器系疾患
- 人工透析
- 慢性腎不全
- 腎機能障害
肝疾患
- 肝炎
- 肝硬変
婦人科系疾患
- 子宮筋腫
- 更年期障害
- 妊娠
- 授乳中
精神科・心療内科系疾患
- 自律神経失調症
- うつ病
- パニック障害
- 自閉症
- 統合失調症
整形外科疾患
- 骨粗鬆症
- 脊柱管狭窄症
- 椎間板ヘルニア
脳神経外科系疾患
- 脳出血・脳梗塞
- くも膜下出血
- パーキンソン病
- てんかん
自己免疫疾患
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
この他、アレルギー疾患、出血性素因(出血しやすい、血が止まりにくい)なども対象となります。
患者様の全身状態を確認し、それぞれに合った歯科治療を提案させていただきます。
※なお、コントロールの不良や病態が重症で、当院での治療が困難と判断した場合、高度医療機関を紹介させていただくことがあります。